約 1,319,903 件
https://w.atwiki.jp/mitlocke/pages/430.html
ゼロ ランク:B S(ドラッグオンドラグーン3) 属性 ・女 ・独身 ・非処女 ・ウタウタイ ・人間 敗北条件 (L)、漢数字、英数字、ローマ数字、 「ワン」「トウ」「スリイ」「フォウ」「ファイブ」が生きていると敗北 能力値 ESP能力レベル 5(+1) ESPパワー 40 耐久力 6 精神力 5 特殊能力 ・観測者と使徒の支援[戦闘前] 1D6を2回まで振り戦闘中以下の効果を得る。出目がゾロ目の場合、片方を振り直す。 1・6 アコールの支援 手札上限+1 2 セントの支援[手下:2]1D6を振る。5以下なら自分に、6なら自分以外のランダムに選んだキャラクター1人に手下1人 3 オクタの支援[支援][攻撃][M][LV:2 火力:ブラスター]で攻撃 4 デカートの支援防御Cカードを発動チェック前にLV+1できる 5 ディトの支援[支援][攻撃][格闘(武器):1]支援で格闘攻撃を行える。 ・剣所持[戦闘][格闘(武器):1] [戦闘前]で得られた武器とのみ同時に使用できる。 ・ミハイルの支援[戦闘][支援][攻撃][E] 2D6を振り9以下で[LV:4 火力:ビームキャノン]で攻撃。 ただし出目10以上で対象が自分になる。 ・ウタウタイモード[戦闘][支援][特殊] 1戦闘に1度使用可能。 Xラウンドの間、攻撃Cカード使用時ESP能力レベルを+1、[格闘(白兵):1]を得る。 能力使用中、自分の手下による同調行動ができない (X=自分が与えたダメージ+自分が受けたダメージ。戦闘終了時0に戻る) 備考 2019/11/17 敗北条件を一新して登場。 ミハイルがよりクソドラゴンになりました。 2019/12/15 敗北条件から女を削除してもなお余りある属性による敗北条件の広さから更なる強化が入ったヤンママ。 戦闘前16の悲しさがなくなった。 このキャラクターへの意見 これって属性に数字が含まれているキャラクターも敗北条件に含まれますか? -- waka (2019-11-17 02 03 58) 含む判定でちょっと強化しました。属性で許さなくなるの好きなので。 -- 名無しさん (2019-11-17 02 12 20) Eで男で数字あるのはⅥ、黒死牟殿童磨殿、ベルゼブモン、ルビカンテあたりがめんどそうでSはアクセラと秋山が敵になる素敵な敗北条件 -- 名無しさん (2019-11-17 02 20 05) これってキャラ全体の何割が敵になるんですかね?「数字関係」のタグをページに追加すればタグ検索で見れそうだけどその作業面倒……(しかもページが未作成のキャラも居るから輪をかけて面倒) -- waka (2019-11-17 17 11 02) 発音完全にアウトそうなプロメア勢ギリギリで許されるの面白い -- 名無しさん (2019-11-18 17 13 41) わかる、むしろトウとかのほうがどっかで引っかかりそう(レディプレイヤーワンからダイトウ刷ってくるか) -- 名無しさん (2019-11-18 18 17 13) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mousouvs/pages/521.html
教えてくれゼロ…俺はあと何人殺せばいい… 出典 【新機動戦記ガンダムW、ガンダムビルドファイターズ】 Wシリーズの一部の機体に搭載されているぞ! 画面右に小型の画面が表示されそこにロックしてない敵機が写るぞ! ロックしてない相手の行動がよく見えるため回避率が段違いだ! 前作から追加されて約2度目なるが、今作品から異常行動(ギアス能力、共鳴感応やコピー能力など)を起こすとこの効果がはたらかなくなったり、 敵軍の敵機に利用されたりする恐れが大きくなった。 現在の搭載機体・・・・下記を参照 ウイングガンダムゼロ ウイングガンダムゼロカスタム ガンダムサンドロックカスタム ガンダムサンドロック改 ガンダムエピオン ウイングガンダムフェニーチェリナーシタ ウイングガンダムゼロ炎 ウイングガンダムゼロカスタム(シールド装備)? ウイングガンダムゼロカスタム(ドライツバーク装備)? ウイングガンダムゼロ(2) ウイングガンダムゼロ(2) ウイングガンダムゼロ(3)? ウイングガンダムゼロカスタム(2) ガンダムサンドロック改(2) ガンダムサンドロック改(3) ガンダムサンドロックカスタム(2)? ガンダムサンドロック改・EW版 ガンダムサンドロック改・EW版(2)?
https://w.atwiki.jp/eryushio_saga/pages/40.html
,ィi __ / i .! |', >、 , ---- 、イ / .| l ', .,イ i / .| /i _ iヘ i ', i | ./ _ ! / ,' 、 -=ミ、 >'´ { ヘ ∨ヽ', ヘ i j ./ jハ|/ ' j.i } i >'´ ∨ノヘ ∨∧ ヘ'. // ./ ./¨il / ノ./ /./>'´ / ヽ --` .、 ヽ7、 _; -- l | /i / / i/_,. イ/_,. - '>'´ 7' ハヽ _ _ _ _ j_ ._,.-V` .、{. 、_/_,ィイ∨ 、 ,.イ--t--‐' ´ >'´ { ム.{ V ヘ _/ V .|>r、--'∠zソ />'テ'>、 | >'´ ∧ >‐‐' ニ彡i, イヘ'ヘ ̄¨>ー-- ニ-、__. イ 、 イ >'´ ``、 i' ̄`` ヽ、__,. `==y===≦¨´ ハ 、 ヽ>'´ _, --.、 ,ィヘヽ ∨ ヽ-‐' | ∨ .', >'-ニ彡 /--‐ '\ , イ ヘ∨ `ヽ i } | .i j ノ__, イ , イ ,イ /.イ / ∨'、 j | 7--‐'イ¨`T'  ̄ ``ヽ、 / イ / _ >' ̄ヽ___/、____/イ /_, イ { \ヽ / イ / |', -=ニニ  ̄___,. < / \ .i | >' \ i V___,/ \ ./ | ヽ イ ‐--.、/_ > .、 i { / j ∨ ヽ,.ィ´ i / ./ ヽ ``ヽ、__,.イ > 、_ .ノ >- .___ ヽ_∧ ∨ ∨ 7---< / . イ `ヽ、 _,. -/ / ヽ、 j! j≧´ ./ /イ ゼロ 年齢(人間に当てはめると)18 出身 警備用自動人形製造工場第0工房 ステータス 破壊力B- 耐久力C- 俊敏性A+ 精密性A 汎用性C (EX=人外級 A=超スゴイ B=スゴイ C=人並み D=ニガテ E=超ニガテ F=子供並み) スキル・特性 『軽装警備自動人形』 一撃離脱を前提に設計された自動人形。高い格闘性能、素早い身のこなしが可能。 『白兵戦闘・A』 白兵戦闘用の行動ルーチン。 『火器取り扱い・A』 手足の用に火器を扱える。これ以上のスキルの上昇は望めない 『剣士・C』 剣を用いた戦闘の適正 『高度AI』 自信の環境によって自我を発展向上させるAI。指揮官機としての現場指示能力を持たせる為に搭載。 『機械弄り・B』 自身や寮機の修理などで培った能力。専門的な機械以外ならある程度操作出来る。 装備 『光粒子兵装ゼットセイバー』 光粒子を刀剣状に構築し、光熱で相手を膾切りする。装甲、人体共に有効な装備。
https://w.atwiki.jp/battler/pages/10065.html
すべてはここから始まった・・・「ゼロ」の名を持つ戦士 ゼロファイターとはコズミックブレイク及び鋼鉄戦記C21に登場するロボである またプラウザゲーム「コズミックコマンダー」に登場する機体も紹介する 機体解説 すべてのコズミックロボの始祖的存在といわれる。 キャッチフレーズの「すべてのコズミックロボはゼロファイターに始まり、ゼロファイターに終わる」 と共に多くの伝説を作り上げてきた名機。 性能面では凡庸ではあるが、生産数は多く、直系後継機であるゼロセイバーやバージョンアップ型はゼロファイターの製造ラインを流用しているらしい。 バージョンアップ機解説 ゼロファイターはその長い運用実績から多数のバージョンアップ機や運用者によるカスタムが行われてきた。 ここではバージョンアップ型の1つである「ゼロファイターMK-2」について紹介する。 ゼロファイターの直系後継機であるゼロセイバーは高性能ではあるが、流通地域がコズミックアークのみであったためか他の星系での前線維持のためにバージョンアップ仕様が要求されてきた。それがゼロファイターMK-2である。 ジェネレーターやスラスター、機体形状を一新し、高性能化がされている。 バトロイでのこいつ 基本はノーマルです
https://w.atwiki.jp/atenza/pages/227.html
【作品名】ロックマンXシリーズ 【ジャンル】ゲーム 【名前】覚醒ゼロ 【属性】レプリロイド 【大きさ】160cm 【攻撃力】幻夢零 ビームサーベルから高さ10m、射程数10mほどのスラッシュ状の衝撃波を出す 連射可能で1発1発の威力は通常時の自分に匹敵する 防御力を持つエックスを1撃で倒す事ができる位 【防御力】地上全体を廃墟にする隕石に巻き込まれても無傷(イベント) 【素早さ】ダッシュの速さはレーザーを追い越す時がある 自分と同等のダッシュ力を持つエックスの動きに反応できる 【特殊能力】時止め耐性有り 【長所】安定した強さと耐性 【短所】攻めに使える特殊能力が無い 【備考】防御力の項にある隕石とは正確にはコロニー落としの事 今後の考察の考え、分り易い様に敢えて隕石と表記 vol.2 104 :格無しさん:2009/04/28(火) 17 54 34 覚醒ゼロ考察 ○ダン ビームサーベル勝ち △アンチゼーガ~ユーラシア大陸ロボ 倒せない倒されない ×ケルビム~神話型アクエリオン 地上を廃墟にしただけで別に大陸とか破壊したわけじゃないし、凍結負け △悪のロボット~アクエリオン 倒せない倒されない ○キングゲイナー ビームサーベル勝ち ×グレートガンバスター 近付く前にビームなぎ払われて負け △ウイングメガボイジャー 射程短いから当てる前に避けられる アンチゼーガ=覚醒ゼロ>ダン
https://w.atwiki.jp/kokinesu/pages/39.html
ディア・デサイド No.7 ゼロエンド メイン:ガンナー サブ:レンジャー 種族:キャスト 性別:女性 シグリットの友達でシグリットの紹介でこのギルドに来た レンジャーをサブに持っているためWBにぬかりがない 赤装備を装備することを夢見ていたが黄色に汚染されている 分かりやすくこの子を言うと控えめな後輩ちゃんである シャルとよく一緒に遊んでいる なのですといった語尾が特徴的な喋り方をする なぞの失踪を遂げている、アークスの本部が失踪に絡んでいるとのうわさがある 零天侍 愛称はレイとゼロ 突如現れた謎の女侍 ゼロエンドが謎の失踪をした今彼女の探している手がかりを探している
https://w.atwiki.jp/sinkyara/pages/208.html
【作品名】コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー 【ジャンル】漫画 【共通設定】 ギアス・ユーザー……エデンバイタルにアクセスすることで使用できる宇宙の理を捩じ曲げる力の使い手。 作中で判明しているのはギアスは契約によって得る、特殊な改造によって人工的に得る(イレギュラーズ)、生まれながらにして得る(ワイアード・ギアス)、の三つの方法がある。 イレギュラーズのような例はあるもののそれ以外は反作用はないとされている。 ちなみにギアスは基本的にはロボ戦で使用して戦っているが、生身でも使える。 ワイアード・ギアス……ワイアード(つながりし者)。契約無しにエデンバイタルにアクセスする事ができる。 ワイアードの使うギアスは「ワイアード・ギアス」として区別され、契約に基づくギアス能力と併存可能で、反作用もない。 ギアスの中でもワイアード・ギアスは特別で契約に縛られるギアスとは違い、 ワイアードと呼ばれる者は神(エデンバイタル)に匹敵する力を持つ設定とされている。 イレギュラーズ……特殊名誉外人部隊の名称。この部隊に所属している者は全員ギアス能力の使い手。 基本的にはエデンバイタルとの契約者又はワイアードのみがギアスを使用できるが、 C.C.についての研究成果を基にC.C.の細胞を埋め込まれ人工的に能力を植え付けていることによってギアスを行使している。 ギアスの行使は人間ひとりで許容できるものではなく、特殊な方法でギアス能力を得ているイレギュラーズのみ反作用がある。 短時間で身体を蝕むので「C.C.細胞抑制剤」を定期的に投与しなければならない。 が、それも気休めで体を蝕んでいずれ魔女の細胞に取り殺される。要はまがいもの。 【共通設定】 KMF……ナイトメアフレームの略で基本的なタイプは4m程度のあまり巨大とはいえない搭乗型ロボット。 普通の兵器(現実準拠の現代兵器レベル)の砲撃ではダメージを与えられないくらい頑丈。 中には量子シフトで形成されているKMFもいる。だが、ナナリー以外は初めからKMFに搭乗してエントリー。(理由はナナリーの欄を参照) ハドロン砲……KMFの両肩にハドロン砲(粒子兵器)装備。一発だけでもKMF1騎を破壊可能。 数十発連射可能でちょっとした規模(20mくらい?)の爆発を起こしてKMFを破壊した。射程100m。 【備考】環境ルールにより、作中世界と同条件の環境下で参戦しているものとする。 【名前】魔王ゼロwithガウェイン 【属性】ルルーシュ&C.C.の融合withKMF 【大きさ】男子高校生並みwith6.5m 【攻撃力】多元規模全能の存在を無に還せる(特殊能力参照) ガウェインは胸部からビームを発射可能。 普段なら生身で戦ってる魔王ゼロが強敵と戦う際に呼び出す程なので少なくとも威力は生身の時以上かと思われる。射程50m以上。 生身の強さは下記参照。 【防御力】ガウェインはハドロン砲に耐えられるくらい。生身の耐久は下記参照。 【素早さ】ロロと戦えるので無限速の反応と戦闘速度。移動速度は大きさの機体相応。飛行可能。 【特殊能力】テレポート可能。自身は勿論、5mほどのKMFなども巻き込んで転移ができる。 超音速で飛んでくる散弾を当たる直前に時間停止能力でも使ったかのようにビダと停止させて無力化。 また、手をかざしただけで10mほど離れたKMFの全てのエネルギーをゼロにして戦闘不能にさせたり、人を気絶させたりもできる。 さらに相手に触れただけで自分(C.C.やルルーシュ)の過去を見せることができる。ちなみにこれを見てる間はずっと棒立ちになる。 (KMFに触れただけでもパイロットに見せられる。つまり機体越しで可能) 不老不死のC.C.との融合なので寿命はない。 ザ・ゼロ……ゼロ(正確に言えばルルーシュ)のワイアード。 森羅万象を無に還す能力。よって能力範囲は世界観相応(世界観については下記参照)。 対象の人間に心臓に異常を起こしたり、不老不死を死なせたりしている。 ちなみにナナリーはこのギアスで盲目だった目が見えるようになったり不自由だった足をその場で治して歩けるようになったりした。 ワイアード・ギアスは常時全能のエデンバイタルと同等の力を持つという設定。 さらにエデンバイタルの力によって不老不死にされたキャラもこの能力で殺せるので全能殺し。 量子シフトによってガウェンは離れた場所からでも召喚可能。 【長所】最早アニメのルルーシュの面影がどこにもないほど生身でも強い、いや寧ろ生身の方が強い異常なパワーと体格、特殊能力も豊富 【短所】C.C.の死後、魔王の役目を引き継ぐことになった 【戦法】ガウェインに搭乗した状態で参戦。基本戦法はギアスで相手を無に還すor自分以外の全てを無に還す。 効かなければ生身で戦ったり、相手が遠くに離れていたらガウェインのビームで攻撃。 【備考】ガウェインは装備品として参戦。はっきり言ってビーム以外は長所がないのでガウェインは相手と戦闘開始距離をなるべく離す為に用意した。 【参考】以下は魔王ゼロの生身での強さ 【名前】魔王ゼロ 【攻撃力】一人で数騎のKMFを破壊したり、周りの瓦礫や残骸が吹き飛ぶ5mくらいの衝撃波を起こしたりする。 生身で羽織ってるマントは伸縮自在(数十m以上は伸ばせるか?)で打撃としても使える。スザクwithランスロットの剣と拮抗する威力。 腕力は一撃でKMF1騎を破壊するナイツ・オブ・ラウンズのゾンビのパンチと相殺するくらい。 【防御力】頭部隠すヘルメット装備。黒のマントを着ている。 4,5mのKMFに蹴られたりしても何事もなかったかのように問題なく戦闘続行可能。 同じく生身で銃で撃たれても銃弾が飲み込まれるかのような形になって全く効かないし、 ロロ・ヴィ・ブリタニアwithヴィンセントの腕のライフルを至近距離で撃たれても戦闘続行可能。 一撃でKMF1騎を破壊するナイツ・オブ・ラウンズのゾンビのパンチを受け止められる。 参戦:vol.2 85 :格無しさん:2012/03/11(日) 19 12 06.56 ID B+ZO6RvK 魔王ゼロwithガウェイン考察 ○○○○右代宮戦人、アゾエーブ、ゲッターエンペラー、伏義 消滅勝ち ×ペルフェクティオ 宇宙破壊負け ×第2使徒リリス 魂吸収負け ○○アンチスパイラル、超天元突破グレンラガン 消滅勝ち ×フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラ 世界改変負け ××作者、那由他 全能負け ペルフェクティオ>魔王ゼロwithガウェイン>伏義
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1763.html
その日、ガリア国境は俄かに騒然となった。 トリステイン王国の勅使が入国を求めてきたのだ。 それも事前の通達もなく、突然にだ。 トリステインへの確認を取るべきか、 それとも本国の指示を仰ぐべきか、 久しく直面しなかった事態に混乱が起きる。 容易に国内に入れては責任問題になりかねない。 しかし相手が一国の勅使である以上、足止めなど出来る筈も無い。 「モット伯爵、この度はどのような御用向きで?」 「……………」 「事と次第によっては入国を許可する事は出来ません。 それだけの権限を私は本国より与えられています」 沈黙を保つモットに入国管理官は真意を問い質す。 何をしに来たのかさえ分かれば手の打ちようはある。 虚言を弄そうとすればそれを逆手に入国を拒否するつもりだった。 しかしモットは平然と答えた。 「では問おう。ラグドリアン湖の氾濫についてだ」 「っ……!」 ぎろりと睨みつけるモット伯の視線に管理官がたじろぐ。 今まで数え切れないほど関を抜けようとした者達を見破り、 不審な人物を残らず捕縛した彼であったがモット伯の威に気圧される。 「あの湖の精霊と我がトリステイン王国は盟約を結んでいる。 ならば事態の解決の為、我が国に交渉を持ちかけるのが筋であろう」 「ですが…それは…」 「自国のみで解決しようというならそれも良いだろう。 だが依然として氾濫は続き、ガリアの民は苦しんでいると聞く。 それなのに未だに連絡一つ寄越さないとはどういう事か!?」 モット伯の怒号に管理官の膝が震える。 伯爵ともなれば国が違えども自分の首を飛ばすぐらいは容易い。 彼を怒らせる事は破滅に繋がるのだ。 「かくなる上は直接ラグドリアン湖に赴き、湖の精霊と対話するのみ! それを妨げるというのであれば、その行為を以ってガリア王国の正式な回答とする!」 その一言で管理官の背筋が凍った。 もし、自分が彼を入国させなければそれが国の総意となるのだ。 下手をすれば国際問題に発展しかねない。 男にそこまでの責任を取る度胸はなかった。 「わ……分かりました。ガリア王国は謹んで貴方様の入国を歓迎します」 「よろしい」 満足そうに笑みを浮かべるとモットは御者に馬車を進めるよう促す。 馬車は悠然と未だに騒ぎの止まぬ国境を通り抜け、一路ラグドリアン湖を目指す。 「…しかしアンタもヒデェ事やるよな」 「何を言う。権力は振りかざしてこそ価値のある物だ」 ぴょこんと鞘から刃を覗かせるデルフにモットが返す。 ほとんど強行突破同然に関を抜けたルイズが安堵の溜息を漏らす。 相手に考える時間も機会も与えぬ一方的な叱責。 もし、あの場で足止めを食ったなら入国は不可能になっていただろう。 「随分と口が達者よね。どこで学んだか教えて欲しいわ」 「弁の立たぬ勅使などおらんよ。ましてや宮廷で狸共の相手をしていればな」 そもそも彼女に学ぶ必要はないだろう。 “ヴァリエールの三女”として一言発せばそれで大抵は片付く。 小細工や腹芸など私のような小物がやるべき事だ。 彼女は威風堂々と振舞えばいい、それでこそ付き従う者もいる。 ふと思う、もしアンリエッタ姫殿下の代わりに彼女がいたら…? それはきっと楽しい事になるだろう、居並ぶ重臣が慌てふためく姿が目に浮かぶ。 (まあ、今より苦労する事になるだろうが…) しかしそれも遠い日ではない。 彼女とていつかは姫の臣下として王宮に馳せ参じる。 その日を心待ちにして彼は風を感じていた。 それは馬車の窓より吹き込む風ではなく、 体制に固執するトリステインに吹く新しき風だった。 呼吸器が壊れたような荒い呼吸。 疲労のせいで視界がぼやける。 流れ落ちた汗を拭いながら再び湖面へと少女は向かう。 その横で彼はただ戦いに赴くタバサを見守る事しか出来なかった。 最後の任務は困難を極めた。 “ラグドリアン湖を氾濫させる水の精霊を退治せよ” 精霊を殺す事自体、禁忌に当たるというのに、 ラグドリアン湖に住む精霊はトリステイン王国と契約している。 公になれば国際問題となる完全な汚れ役だった。 しかしタバサに断れる訳が無い。 命令に従い、湖の精霊に攻撃を仕掛けた。 だが、いかに魔法に秀でていようとも人の身で精霊に挑むのは無謀。 そしてバオーが今持つ能力では精霊を傷付ける事は出来ない。 単身で挑むタバサが疲弊していくのも無理はない。 湖中を自在に移動する為の空気の球。 更に、それを維持しながら攻撃しなければならないのだ。 彼女の魔力にも限界がある。 せめて他にメイジが居たならば形勢は変わっていたかもしれない。 しかし、極秘裏に行わなければならない任務に救援などない。 襲撃から戻ったタバサが一息つく。 一度に倒すのは不可能、今夜はここまで。 この調子で何度か繰り返せばいずれは倒せる。 それだけの手応えを彼女は感じていた。 彼女達が引き返そうとした瞬間、湖面に巨大な水柱が上がった。 それは降り注ぐ水の槍と化し二人に襲い掛かる。 二人を分かつように間に突き刺さる水の槍。 咄嗟に左右に飛んだ二人に次々と槍が降り掛かる。 それをタバサは旋風の守りで防ぎ切る。 (狙われているのは私。このまま離れていれば危害は及ばない) そう思っていた彼女の眼が驚愕に開かれる。 逃げ回る彼を次々と貫く水の刃。 その足元に血溜りが広がり彼の体を赤く染めていく。 水の精霊に人間の常識など当てはまらない。 たとえ攻撃したのがタバサだけだとしても関係ない。 仲間ならば同罪であると容赦なく彼を血の海に沈めていく。 自分の甘い考えを呪いながら彼女は詠唱を開始する。 瞬間、ざわりとタバサの背筋に冷たいものが走った。 視線の先には毛を逆立たせ変身していく彼の姿。 既に何度も目にした光景。 しかし彼女の嫌な気配は増していく。 この感覚には覚えがあった。 それは初めて彼の変身する姿を目にした時だ。 敵対する者その全てを悉く滅ぼす異形の怪物。 彼はそれに変貌しようとしていた。 「……ダメ」 旋風の守りを解き、タバサが彼の下へと走る。 彼女は予感していた、ここで彼を変身させたら帰って来れなくなる。 ルイズを好きな、ルイズが好きな彼にはもう戻れない。 大切な人を失ったタバサだからこそ分かる辛さ。 あれを二度と繰り返させはしない。 誰にも経験させたくない。 その一念で彼女は飛び出した。 咆哮を上げ湖そのものともいえる精霊に宣戦布告する。 敵が何であろうとバオーは滅ぼす、たとえそれが世界そのものであろうとも。 降り注ぐ水の矢を避けようと体を踊りだそうとした瞬間、誰かに抱き留められた。 それはタバサだった。 彼女は振り返る事無く杖を振るうと旋風で盾を作る。 何故、こんな事をするのか困惑する彼にタバサは繰り返す。 「……ダメ」 何が駄目だというのか、自分を脅かす敵を倒すのが悪い事なのか。 生き残る為に最善を尽くすのが間違っているのか。 彼女の言う事は辻褄が合わない。 薬の所為でおかしくなっているのだと納得し振り剥がそうとした。 でも、出来なかった。 少女の力なんて障害にすらならない。 しかし体が動かせない。 内より湧いてくる“力”とは別の温かい感覚。 彼を繋ぎ止めていたのはルーンという鎖だけではない。 それは自分と彼女の間にある確かな絆。 タバサは身を張って自分にそれを思い出せてくれたのだ。 そしてもう一つ、彼は思い出した事がある。 弱まった旋風の守りを突破し迫る水の槍。 自分にしがみ付いたタバサを連れ、彼が宙を舞う。 野生の獣をも上回る速度でバオーが駆ける。 それに遅れて水が通り抜けた後を貫いていく。 “タバサの事、お願いね” ルイズと交わした大切な約束。 忘れるつもりなど無かった。 しかし、いつの間にか見失っていた。 陽の光で星が見えなくなってしまうように殺意に塗り潰されていた。 だけど、二度と忘れない。 自分を守ってくれた二人を笑顔で再会させる。 それがルイズの願いであり、自分の願い。 攻撃を避けながら彼は異変に気付いた。 自分に掴まるタバサの力が弱まっている。 恐らくは魔力を使い果たして気を失ったのか。 このままではいずれ彼女を振り落としてしまう。 迎え撃つしかないと彼は覚悟を決めた。 倒れた彼女を背後にそっと寝かせ、湖に向き合う。 向かってくる水を瞬時に蒸発させる程の炎は作り出せない。 どんな『武器』ならば凶器と化した水を防げるのか? いや、迷う必要など無い。 彼へと降り注ぐ水の槍。 それを、彼は黙って受け入れた。 強力な水圧で撃ち出されたそれはバオーのプロテクターをも貫く。 ぽたりぽたりと水滴のように落ちる血。 足を踏ん張り彼はその場に立ち尽くす。 そこに容赦なく次の攻撃が襲い掛かる。 水が次々とバオーの体を撃ち抜いていく。 それでも彼は動かない。 『不死身の肉体』それこそが彼に残された最後の武器だった。 自分を盾にしてタバサを守る。 いくら傷付こうとも自分は再生する。 その間にタバサが目覚めてくれればここから脱出できる。 命は捨てない、この命を使ってタバサを守ってみせる…。 幾度も撃たれながらも彼は倒れない。 降り注ぐ攻撃を雨のように受け止める。 流れ落ちた血が乾く間もなく新たな鮮血が彩る。 そんな一方的な攻防が展開されてしばらく経った時だった。 突如、攻撃の手が止んだ。 諦めたのか、それとも許してくれたのか。 そんな希望的な観測を打ち破るようにそれは現れた。 湖面に立つ一際大きい水柱。 先程までの攻撃の比ではない。 一度放たれれば、さながら砲弾の雨と化すだろう。 アレを防ぎ切るのは不可能だ。 自分だけではない、タバサも守れない。 約束も、何も守れない。 堰を切ったように放たれる水。 まるで宙を押し潰す津波。 それを前にしたバオーが吼えた。 自身の内に秘めた力に吼えた。 殺す事しか出来ない力なら殺してみろ。 この全てを押し流す水流さえも殺して見せろ。 自然の摂理さえも捻じ曲げて生存を果たせ。 しかし願いも虚しく押し寄せる水にバオーは飲み込まれた。 その刹那、爆発するように水が弾け飛んだ。 バオーの体から立ち上る蒸気。 押し寄せた水は完全に蒸発していた。 体が高熱を発したのか。いや、それは有り得ない。 そんな熱を放出して体が無事で済む筈が無い。 彼自身も何が起きたのか理解できない。 我に返ったバオーが背後を見やる。 そこには生命の匂いを放つタバサの姿。 それに安堵し再び湖へと向き直る。 再び彼を襲う水流。 だが、それは彼に届きさえしなかった。 上空から降り注ぐ炎が水を蹴散らしていく。 見上げればそこには天空を舞う雄々しき竜の姿。 見間違える筈が無い、彼女の使い魔であり自分の友である者を。 「ダーリン、大丈夫!?」 (お姉さまー!!) バオーに声を掛けながらキュルケは警戒を怠らない。 飛来する水の槍をフレイムと共に次々と撃墜していく。 その間に着陸したシルフィードはタバサを背負い宙へと逃れる。 炎を扱うキュルケとフレイムの参戦は攻守を逆転させた。 あれが最後の力だったのか、次第に精霊の抵抗が弱まっていく。 このまま倒せるとキュルケが一気呵成に攻め立てようとした時、 湖畔に一台の馬車が突っ込んできた。 「待ちたまえ! 精霊を倒してはならん!」 馬車から降りて出てきたのはモット伯だった。 事情を知らないキュルケ達が目を丸くする。 いかにも“どうしてここに居るの?”と言いたげな視線で彼を見つめる。 ラグドリアン湖に向かう途中、彼はとんでもない物を目にしていた。 それは水柱が上がるわ、炎は降り注ぐわ、戦場さながらの光景。 大慌てで彼は湖畔へと急がせたのだ。 精霊を倒してしまっては『水の精霊の涙』は手に入らない。 それどころか二度と国内に入ってこなくなる。 その損失はどれほど大きな物か、彼はキュルケに丁寧に説明した。 「…そういう事ね。よく分かったわ」 「おお、分かってくれたか!」 魔法薬で正気を失っているので理解してくれるか疑問だったが、 さすがはミス・ツェルプストー。 惚れ薬程度で判断を誤るような理性ではないという事か。 「解除薬が無くてもダーリンへの愛は変わらないわ! それに私、ゲルマニアの人間だから何の問題も無し!」 …悲しいほどに全然理解してない。 そういえばミス・ツェルプストーって惚れたら盲目的に一直線だった。 「ダーリンだってやる気になってるんだから止め…」 「いいかげんにしなさい! この色ボケ女!」 キュルケの言葉を遮る声。 見ればモット伯の馬車からもう一人誰かが降りていた。 被った帽子を取った瞬間、月明かりを受けて輝く桃色の髪。 それは彼が待ち焦がれていた人。 「……ただいま」 何の変哲も無い一言。 しかし、その言葉は今まで聞いたどの言葉より温かく力強かった。 そのしばらく後、彼女等は湖畔近くで勢揃いしていた。 手には杖も持たず、彼も元の姿へと戻っている。 互いの事情を確認したタバサは他に方法があるならと攻撃を中断した。 やる気十分だったキュルケは“ダーリンがそう言うなら”とあっさりと停戦に応じた。 シルフィードも同様に目覚めたタバサに止められた。 “水の精霊の涙”を手に入れるには精霊の協力が不可欠。 そこでモット伯の提案で一向は説得を試みる事になった。 いざとなれば実力行使も辞さない方向で。 (…それは説得じゃなくて脅迫というのだが) 言った所で通じないと判断したモットが水の精霊に呼び掛ける。 ほどなくしてモットの姿を模した水の精霊が現れた。 こちらに攻撃する意思が無い事を確認するとキュルケが告げる。 「貴方は完全に包囲されたわ! 無駄な抵抗は止め大人しく投降……むぐ!」 「…頼むからこれ以上、事態を混乱させないでくれ」 居丈高に水の精霊に降伏勧告をする彼女の口を抑え、 恐る恐るモット伯が伺いを立てる。 「私はジュール・ド・モット、かつて貴公と盟約を交わせし者の一人。 無礼を承知で問う。何故、湖を広げ罪なき民を苦しめるのか? その真意を是非聞かせて頂きたい」 「…いいだろう。単なる者よ」 返答も無しに攻撃してくる事も予想していたが、 無益な戦いを避ける為か僅かな沈黙の後、精霊は語りだした。 それによると精霊と長き時間を共に過ごした秘宝が何者かによって奪われ、 湖から身動きできない精霊はそれを取り返す為に水を増大させた。 いずれ大地の全てを覆えばその秘宝も戻ってくる、そう考えての行動だと言う。 随分と気の長い話だ、ミス・ヴァリエールなど三分も待てないというのに。 「その奪われた秘宝というのは?」 「アンドバリの指輪と呼ばれている物だ」 「……!」 自分の何気ない質問に対し、返ってきた答えは驚愕の事実だった。 その可能性を全く考えていなかった訳ではない。 しかし最悪とも思える返答に気が遠くなってくる。 水の力を宿した秘宝『アンドバリの指輪』 死に至る傷を癒し、死者に偽りの魂を与える力に留まらず人の心をも操るマジックアイテム。 手にした人間の使い方次第では国一つ滅ぼす事さえ可能だ。 どの道、放置しておくには危険すぎる。 「では水の精霊よ。その秘宝は我がトリステイン王国が総力を挙げて奪い返す。 だから今は水を引き、我等が誓いを果たすのを待って欲しい」 「…………」 しかし水の精霊は反応を示さない。 代わりに周囲からは驚きの声が上がる。 「ちょっと…! そんな事、約束して大丈夫なの!?」 「もはや一個人の問題ではない。水の精霊の協力は我が国には不可欠。 それに『アンドバリの指輪』が悪用される事態となれば、どれほどの災厄を招くか…」 ミス・ヴァリエールの反論を抑え、事の重大さを説く。 しかし重臣達を説得できるかどうかは甚だ疑問ではあった。 それを見越してか水の精霊は拒否を示した。 「断る。単なる者よ、お前を信じるに足る理由が無い」 「っ……!」 否定されたか、まさか水の精霊まで私の人望の無さを聞き及んでいる事はないだろう。 要は信じるだけの証を見せればいいのか。 まさか生け贄や人質を出せとでも言う気か? 「私も探すのを手伝うわ、だからもう止めなさい」 「そう、じゃあ私も手伝うわ。ルイズに抜け駆けされたくないから」 「……私も」 三人が一斉に誓いを立てる。 しかし、それでも水の精霊は反応を示さない。 信用できない人間が何人来ても同じという事か。 「わんっ!」 「相棒も約束するってよ」 本来の主の下に戻った二人も誓いを立てる。 しかし人でもダメなのに犬じゃあ…。 「単なる者よ。お前に一つだけ尋ねたい」 無反応だった水の精霊が彼に興味を示した。 何故だ、ひょっとして犬以下の信用なのか、私は!? それともデルフの異常な交渉力の賜物なのか!? 困惑するモットを置き去りにして精霊は続ける。 「お前は背後にいた単なる者を身を挺して守った。 お前一人ならば逃げる事も出来た筈。何故そうしなかった?」 問われるまでもない。タバサは大事な仲間だ。 そして彼女を守る事はルイズとの約束でもあった。 それをデルフを通じ精霊へと伝える。 「いいだろう、単なる者よ。 お前は身を以って単なる者との誓約を果たしてみせた。 我は誓約を守る者をこそ信じる。 お前とお前のルーンを信じ、お前達の命が尽きるまで待ち続けよう」 その言葉に一同が沸き上がる。 ラグドリアン湖の氾濫はこれで終わりだ。 タバサも仕事を終え学院に戻る事が出来る。 しかしまだ一つだけ問題が残されていた。 それを解決せんとデルフが動く。 「じゃあ、そのついでと言っちゃなんだが。 アンタの体の一部も分けてくれねえか? この調子じゃ相棒も自由に動けないからよ」 「……心得た」 彼を抱きしめて頬擦りするキュルケを一瞥し、 納得したように精霊は自らの一部を渡す。 上手いものだと感心しながらルイズは問う。 「しかし何か犯人に繋がる手掛かりのような物はありませんか?」 「盗んだ者が何者かは分からぬ。ただ個体の一人が『クロムウェル』と呼ばれていた」 「クロムウェル…!? もしやアルビオンのオリヴァー・クロムウェル司教の事か!?」 精霊の口にした名に心当たりがあったのか、モットの顔が蒼白になる。 彼の想像は最悪の形の実現していた。 突如として起こったアルビオンの内乱。 圧倒的優位な立場にあった筈の王党派の壊滅。 虚無の力と触れ回るクロムウェルの魔法。 次々と嵌まっていくパズルのピース。 もし事実だとすれば危機にあるのはアルビオンだけではない。 至急、本国に帰還し対策を練らなければ…。 即座に馬車に乗り込み、御者に指示を飛ばす。 しかし、彼の襟をルイズが掴み逃がさない。 「どこ行くのよ!? アンタにはまだ解除薬の調合って仕事があるでしょ!」 「は、離せ! 事は急を要するのだ! トリステインの存亡に関わる…」 「はいはい。誓約の湖でいいかげんな事言ってると舌引っこ抜かれるわよ」 弁明など一切聞く耳を持たない。 止むを得ず馬車はモット伯の屋敷へ針路変更を余儀なくされた。 揺れる馬車の中、彼はルイズと顔を付き合わせていた。 互いの横には頭を悩ませるモット伯と、疲れ果てうつらうつら舟を漕ぐタバサ。 密入国のキュルケはフレイムと共にシルフィードでの帰国となった。 言葉も無く見つめ合う二人。 たった数日の事だというのになんだか大分離れていた気がする。 ルイズの唇が声を出そうと動く。 「このバカ犬っ!」 突然の叱責に目を丸くする。 何を怒られたのか判らずオロオロとうろたえる。 その彼に続けてルイズの言葉が投げ掛けられる。 「タバサを守ろうとしたのは分かるけど…だけど! それでアンタが死んだら…意味ないじゃない!」 怒鳴りながらポロポロと零れる大粒の涙。 それは彼が無事である事を安堵すると共に、 命が失われてしまうかもしれなかった悲しみでもあった。 ああ、そうか。精霊との話で知られてしまったんだ。 出来れば彼女を悲しませたくはないし涙も見たくない。 それなのに心のどこかでは、その姿を見て救われた自分がいた。 自分の為に涙を流してくる人、それがいる限り自分は怪物などにはならない。 そう心から実感できるのだ。 「ばか、ばかっ!」 それでもポカポカ殴られるのは痛いし彼女に泣き顔は似合わない。 何とか彼女を宥める良い方法を模索する。 自分とていつまでも無知ではない。 デルフとのお喋りで色々と学んでいるのだ。 そう、女の子を機嫌を取るにはどんな事を言えばいいのかも知っている。 「わんっ!」 彼はその一つを実践した。 断っておくが彼に悪気はなかった。 悪意があったのは、どういう結果になるのか判って通訳したデルフである。 「何て言ったの?」 「ん? ああ…“その格好、よく似合ってる”ってよ」 「……!!」 次の瞬間、激しい衝撃に馬車が大きく弾んだ。 キャンキャンと逃げ回る彼の悲鳴と、それを追い回す彼女の言葉にならない怒号。 それを耳にしながらモット伯は騒ぎに目を覚ました対面の女性に話しかける。 「私も似合ってると思うんだがね」 「……同感」 しかし言わぬが花であると、目前の光景を眺めながら二人は口を噤んだ。 屋敷に戻ったモットは休む間もなく解除薬の調合に取り掛かった。 イライラと出来上がりを待てぬルイズと、彼を抱き寄せて愛の言葉を囁くキュルケ。 タバサは疲れきったのか本を読みながらウトウトしていた。 以前の倍に当たる妨害を受けながらも彼は薬を完成させた。 そして即座に待機させていた馬車に飛び乗り王宮へと走る。 恐らく彼にとって生涯で一番良く働いた時間だったろう。 三人が学院に着く頃には既に学生達も里帰りから戻ってきていた。 となると、もはや一刻の猶予も無い。 成分のついでに匂いまで凝縮したような異臭を放つそれをキュルケへと手渡す。 タバサはもうすっかり薬が抜けていた、後はキュルケだけである。 「飲んだって別に変わらないわよ」 「じゃあ飲んでそれを証明して。 そしたら私も二人の結婚を祝福するから」 「そう? じゃあそうさせて貰うわ」 秘薬の匂いには慣れているのか、キュルケは一息にそれを飲み干す。 しかし別段変わった様子は見られない。 “モットの奴、調合失敗して逃げたわね” そうルイズが解釈する横でタバサがキュルケに歩み寄る。 「……新郎」 「あ、あはははは…」 ぐいとキュルケに手渡すように彼を持ち上げる。 それを目にしたキュルケの顔に乾いた笑いが浮かぶ。 どうやら今までの事を思い出して恥ずかしがっていたが、 私に気付かれたくなくて取り繕っていたようだ。 全く意地張りなヤツと笑みが零れる。 思いがけず大冒険に発展したが、これにて一件落着。 またいつもの日常が帰ってくる。 それはきっと平凡で、それなのに楽しくて仕方がない日々。 そんなのが続いていくのを幸せというのだろう。 「あら? ルイズにキュルケ、それにタバサまでどうしたの?」 突然、掛けられた声に振り向く。 そして戻ってくる学生の中に見覚えのある顔を見つけた。 「モンモランシーじゃない。貴方も帰省してたの?」 「ええ、そうよ。貴方達も今戻ってきた所なの?」 レビテーションで浮かせている大荷物を見れば一目瞭然か。 しかし彼女の顔には旅の疲れは出ておらず、 どこか学院に戻ってくるのを心待ちにしていたような雰囲気が感じられる。 「ところでギーシュを見かけなかった?」 きょろきょろと辺りを見回しながらモンモランシーが尋ねる。 その後ろ手に包装された何かを隠しながら。 恐らくはギーシュへのプレゼントだろう。 何とも微笑ましい光景に思わずキュルケもにやけてしまう。 そういえばギーシュの姿を見かけない。 …というか何か大事な事を忘れている気がする。 当の本人が現れたのは、その違和感にルイズが気付いた瞬間だった。 「あぁ! 会いたかったよ愛しの君! この張り裂けんばかりの切ない想い、その胸の中で癒してくれ!」 飛び出てくるなり彼に抱きつき頬擦りをするギーシュ。 しかもモンモランシーを前にしても気にも留めず、愛の囁きを繰り返す。 カランと落ちた包みの中から香水の瓶が転がり落ちる。 家から取ってきたのか、それとも向こうで調合した物かは分からない。 その香水の持ち主は顔を蒼くしながら信じられない物を見る目でギーシュを見つめる。 僅かに顔を振りながら現実を受け入れるのを拒む。 しかし、目の前の光景は何一つとして変わらない。 「い…嫌ぁぁぁーーー!! 不潔ーーー!!」 叫びながら脱兎の如く走り去るモンモランシー。 誰も呼び止める事が出来ずに立ち尽くす。 あの誤解を解くのは大変だとルイズは他人事のように思った。 ギーシュがいつもの日常に戻れるのはまだ先の話みたいだ。 後に才人とギーシュを因縁付ける事になる香水は、 何も知らず取り残されて地面に横たわったままであった。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2283.html
ゼロと使い魔の書 第八話 ところ変わって学院長室。 壁にかかっている鏡が広場の惨状を映し出していた。 水のメイジがギーシュとルイズの使い魔を運び出す光景を、コルベールとオールド・オスマンが無言で眺めている。 ルイズの使い魔があの伝説のガンダールブと同じルーンを刻まれていた、という説明がなされた直後のことである。二人は映像が消えた後もしばし無言であった。 やがてオスマンが立ち上がる音で沈黙は破られた。 「コルベール君。あの使い魔は、一体どうやってギーシュ・ド・グラモンを倒したと思うかね?」 コルベールは室内をゆっくり徘徊する学院長の姿を目で追っていたが、やがてため息と共に返答した。 「正直に言って……まったく分かりませんでした。あの動きは、やはりガンダールブのものだと思うのですが、最後の最後、一体なにが起こったのか…… あの平民が何か『本』のようなものをかざした瞬間、ギーシュの体が勝手に潰れていったとでも言いましょうか、そうとしか見えませんでした」 自分の不甲斐なさに嘆息するコルベールをオスマンはしばらく眺めていたが、やがてその険しい顔をゆるめた。 「コルベール君。あの一瞬で『本のようなもの』を見出しただけでも、君の実力は相当なものじゃ……それはさておき、わしは彼が何をやったか、一つの仮説を立てている。 君は『スタンド』というものを聞いたことがあるかな?」 「スタンド……?いえ、聞いたことがありませんが……」 コルベールの答えを聞くと、オスマンはしっかりとした足取りで学院長室に設置された本棚へと向かう。その姿は到底百を越えた老人のものには見えなかった。 「先日この本棚を整理しとった時じゃ。一体どこから紛れ込んだのか、始祖ブリミルの記した日記の1ページを発見したのじゃ」 「……え!?」 さらりととんでもないことを言われて、コルベールは一瞬遅れて反応した。 「そこには驚くべきことが記されておった……王室に報告したところで偽物に違いないと一笑にふされるのは目に見えておったから、別に誰にも見せてはおらなんだが、 今回の出来事で確信した。あれは本物じゃったとな」 オスマンは本棚の一番上の段に手を伸ばすと、息をかければそのまま崩れていきそうなほどぼろぼろの紙片を慎重に取り出し、コルベールに見せた。 「マジックアイテムにしてマジックアイテムにあらず。魔力のかわりに持ち主の魂がこめられた道具の総称。それがスタンドであるとブリミルは定義しておる。君も知ってのとおり、 始祖ブリミルはハルケギニアを統一した際に先住魔法の使い手と戦っておるが、このスタンドを使う二人の……ふむ、なんと言ったらいいか、エルフではないだろうと書いてあるしの……『スタンド使い』でいいかの。その二人に苦戦を強いられたらしい。 一人は『アニ』。『創世の書』という本を持っておって、記述を読みあげることにより様々な幻獣を召還したらしい。もう一人は『ボインゴ』。『トト』と呼ばれる『絵本』を通して未来を予知したとされる」 ここでオスマンは言葉を切り、コルベールに視線を向けた。 「この『スタンド』について、わしも興味が興味が湧いたからの。別の文献で調べてみたんじゃが、すると出てくるわ出てくるわ。二度目に触れたものを確実に斬る妖刀やら、壁を透過して釣りたいものを釣り上げる釣竿やら、 どんな衝撃でも跪くことにより地面に受け流す鎧やら、とても四系統の魔法では説明できないような代物がいくつもあるんじゃ。一部の物にはあらゆるマジックアイテムを操る虚無の使い魔、ミョズニルトルンですら扱えなかったという逸話も残っておる」 「つ……つまり、ミス・ヴァリエールの使い魔はその『スタンド使い』であるかもしれないと……?」 「あくまで仮定に過ぎん。じゃがその可能性は高いであろう。分かっているとは思うが、コルベール君、このことと『ガンダールブ』の件はくれぐれも王室のボンクラどもには内密に、じゃ。またぞろ戦でも起こされるじゃろうて」 「は、はい!かしこまりました!」 オスマンは開け放された窓に目をやる。遠い歴史の彼方へ思いをはせるように。 「伝説の使い魔が、始祖に仇なすスタンド使い。はてさて、何の因果かのう」 オスマンの呟きは誰にも聞かれることなく霧消した。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/354.html
空が青く、清く、何より広い。 無遠慮な壁に邪魔されることなく、どこまでも高く高く続いていく。 陽が暖かい。豊かな草原が風になびいて波を打っている。 潮代わりの草いきれが流れ、散っていく。 人間はこうした土地に、郷愁や温かみ、開放感に心地よさといった正の感覚を知るのだろう。 一般的なホモサピエンスとはかけ離れた存在である彼にも悪くない場所と思えた。 顎を引き、見渡し、頷く。やはり悪くない。 なぜここにいるのか、その原因は分からない。 ここが地球上のどこかも分からない。 何者かによるスタンド攻撃なのかも分からない。だが、それでも悪くはない。彼にとってはどうでもいい。 草の向こうに巨大な石造りの建物が見える。 テーマパークか。図書館、博物館、見たまま城。刑務所ということはなさそうだ。 退屈な環境ビデオのごとく、稀に見る良い環境だ。 周りを取り囲むは場所柄にそぐわない怪しげな集団だったが、それに怯え竦むことはなかった。 彼は無敵だった。文字通りの無敵だった。「敵」が「無」かった。 短くも長くもない生涯で恐怖を感じたことは一度としてない。 近しい者の死にも、それによって与えられるであろう己の死にも、 客観的な視点で俯瞰から眺め続けてきた。それは今現在も変わらない。 そこかしこから笑い声が漏れ聞こえた。聞き慣れた種類の笑い――これは嘲笑だ。 彼と同じく、集団に取り囲まれた一人の少女に対して斟酌無い嘲りが投げかけられている。 「使い魔」「失敗」「ゼロ」といった単語が四方から飛び交い、もしくは囁かれ、 愛らしい少女は白い頬を朱に染め、大きな瞳をさらに見開き、屈辱に肩を震わせていた。 意味の分からない単語も多かったが、そこにからかいの意思を感じ取ることはできた。 彼にとっては見慣れた光景だ。 何やら怒鳴り返しているところをみると、少女は侮辱に対し侮辱で返しているらしい。 やはり見慣れていた。 しかし集団ということを抜きにしても相手方の優位は小揺るぎもしないらしく、 少女の怒鳴り声は集団の上を空しく通り過ぎていくだけだ。 ここまでくると、もはや見飽きている感がある。 少女を含め、皆が皆似通った格好をしていた。 安物囚人服ではない。かなり上等な……学生服だろうか。 ただ一人の年長者である禿げかけた中年男性は、 ものものしい木の杖に前時代的な黒いローブを纏い、 まるでおとぎ話にでも登場する魔法使いのようだった。 眼と耳から手に入った情報を照合し、状況を読み取り、ここで彼は合点がいった。 なるほど、見飽きた光景だったわけだ。 ここはいわゆる新興宗教で、彼らはその少年信徒といったところか。 目の前の少女は、儀式か何かに失敗して笑われているらしい。 信仰をささやかな心の拠り所にするのは大いに結構。 だが、宗教そのものを心の全てにしてしまっては本末転倒だ。 かつて大切にしていたはずの人間関係は磨耗し、やがて消えてなくなる。 胴欲かつ青天井のお布施乞食に吸い上げられて金が無くなり、 信じる物以外の全てを捨てて時間も失い、教団の意向次第で唯一無二の生命さえ奪われる。 そこまでして尚、誰から感謝されるということもなく、教祖は笑い、妄執を捨てず、 誰のおかげでもない、自分が偉大だからこの世は動いているとうそぶき、ふんぞり返る。 何もいいことはない。幸せを掴むためにはもっと他にすべきことがある。 といった意のことをわめきたてたが、彼の声はあえなく無視された。 ためになる助言に聞く耳を持たないとは狂信者にありがちなことだが、 聞こえないふりにしては出来過ぎている。 目前まで全力移動してから緊急停止などといったことを試してみるが、それもまた無視された。 喋り過ぎだと叱責されたこともある声を張り上げ、周囲を旋回してみるが、 彼に注意を払うものは、少女を含めて一人としていない。 彼を見ることができる才能の持ち主はこの場にいないようだ。困ったことになった。 少女は人垣に怒鳴り返すのをやめ、今度は中年男性に食ってかかっていた。 桃色がかった柔らかな金髪が持つ印象に反し、何かと攻撃的に生きている。 そのなりふり構わぬ姿勢は周囲のさらなる失笑を買い、 それにより少女はますます必死になっていった。 中年男性はその他野次馬連中とは違い、それなりに同情的であるらしい。 チャンスは一度ではない。二度でも三度でもない。 五度でも六度でも成功するまでやればいい、と慰めともつかない慰めをかけ、 とりあえず授業を終了する旨を宣言した。 これは単なる儀式ではなく、授業の一環であったようだ。つまり宗教学校ということか。 彼にもいまいち得心がいかなかったが、それどころではないことが起きたため、 疑問は彼方へ吹き飛んだ。 中年男性――年齢や立ち振る舞いからいっておそらくは教師――の号令一下、 少年達――ということは生徒だろう――は宙に浮いた。そう、生身の人間が宙に浮いた。 大きな口をさらに大きく開け、半ば呆然と彼が見送る中、ある者は黙ったまま、 ある者は友人と談笑し、ある者は残った少女をからかいながら、石造りの建物に向かって飛んでいく。 ワイヤーもクレーンもタネもトリックもない。 自分達が仕出かした奇跡を特別視する様子もない。 ごく自然な、当たり前の、家常飯事、日常所作、息を吸って吐くのと同じように、空を飛んでいく。 あとには大口を開いて見送る彼と、笑いものになっていた少女が残された。 少女は遠ざかる背中の一群を睨み、ふと目を逸らし、だがもう一度睨みつけ、 今度は目を伏せ、ため息とともにもう一度目をやった。 今度は睨みつけてはいなかった。 空飛ぶ旧友達の最後の一人までが建物の中に納まるまで目を離さず、 自分以外の動くものが見えなくなってからようやく動き始めた。 右手を開き、閉じ、開き、閉じ、開き、じっと見る。 再び出かけたため息を噛み殺すとともに奥歯を噛み締め、 空を飛ばず、右足と左足を交互に動かし、確かな足取りで前へ進む。 「あ、チョット待ちナー」 我に返り、彼は制止しようとしたが無視された。やはり聞こえていない。 「待てっつてンのにヨーッ。ドーなっても知らねーゾ」 声は届かず、物理的に干渉する手段を持たない以上、黙って見送るしかなかった。 少女は一歩、二歩、三歩進んだところで「凶」を踏み、 そこから四歩、五歩、六歩、七歩いったところで石につまずき前へのめった。 両手と膝をつき、ギリギリで顔面による着地は防いだが、 どうやら膝をついたところに石が顔を出していたらしい。 「アーア……やっちまっタ」 不意の痛みに涙を浮かべ、その一滴を拭うために顔へ手を伸ばし、 頬に掌が触れたところでようやく気がついた。が、すでに時遅し。 「マ、コレでウンがついたってトコジャネーノ?」 愛らしい容姿に似つかわしくない、怒声とも悲鳴ともつかない叫び声をあげたが聞く者はいない。 少女が八つ当たりをしたくても相手はいない。 怒りと苛立ちを押し殺し、ハンカチでこすり、頬と掌に付着した獣糞を拭うのがせいぜいだ。 大変に気の毒だが、彼は同情できるだけの心的余裕を持たなかった。 少女の叫びや八つ当たりと同様に、彼の忠告を聞く者もいないのだから。 これは存在意義にもかかわる重要な問題だ。 去り行く少女を横目に、周囲を見渡す。辺りには何も無い。 草、草、草、草、そして石造りの建物があるだけだ。 少女――ゼロのルイズと呼ばれていた――に目を移し、そのまま止めた。 少し悩んだフリをして、ドラゴンズ・ドリームはルイズの後を追いかける。 龍の夢は未だ覚めず。